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先に結論をお伝えします。
離婚しても、住宅ローンの債務や連帯保証は、自動では外れません。よくある誤解が「離婚協議書や公正証書に書けば外れる」というもの——これは間違いです。お金を貸した金融機関(債権者)の承諾がない限り、債務者を入れ替える(免責的債務引受=民法472条)ことも、連帯保証を外すこともできないからです。外すための現実的な道は、完済・借り換え・売却の3つ。私は買取・査定側にいた立場から、離婚とローンの”本当の話”を、どちらの立場にも立たずにお伝えします。
「離婚するから、住宅ローンの連帯保証も当然なくなるよね?」——ここで多くの人がつまずきます。離婚は夫婦間の取り決めですが、ローンは金融機関との契約。この2つは別物です。まず、よくある勘違いを正しましょう。(離婚と家の全体像は「離婚で家はどうなる?完全ガイド」にまとめています。)
よくある勘違い(❌)と、本当のところ(✅)
❌ 「離婚すれば、連帯保証も自動で外れる」
✅ 外れません。離婚は夫婦間の話で、金融機関との契約には影響しません。
❌ 「離婚協議書・公正証書に『ローンは夫が払う』と書けば、妻は連帯保証から外れる」
✅ 外れません。協議書は夫婦間の約束にすぎず、債権者(金融機関)の承諾がなければ、債務者を入れ替える(免責的債務引受=民法472条)ことも、連帯保証を外すこともできません。
❌ 「家を出れば、自分のローンの責任はなくなる」
✅ なくなりません。住んでいるかどうかと、ローンの責任は無関係です。
特に2つ目は、離婚で最ももめる原因の一つです。「公正証書に書いたのに、元配偶者が払わず、ある日自分に督促が来た」——連帯保証や連帯債務のまま放置すると、こうしたことが実際に起こります。相手が滞納すれば、あなたに一括請求が来ることもあるのです。
そもそも、あなたのローンはどのタイプ?
離婚のローン問題は、契約のタイプで対応が変わります。
| タイプ | 中身 | 離婚での注意 |
|---|---|---|
| ペアローン | 夫婦それぞれが別々にローンを組み、互いの連帯保証人になっている | 2本のローンと2つの保証が絡み、最も複雑 |
| 連帯債務 | 1本のローンを夫婦2人が共に債務者として負う | どちらも全額の返済義務を負う |
| 連帯保証 | 一方が債務者、もう一方が連帯保証人 | 保証人は、債務者が払わなければ肩代わりさせられる |
いずれのタイプも、離婚を理由に一方だけ抜ける、ということは金融機関の承諾なしにはできません。まずは自分がどのタイプかを、ローン契約書で確認してください。
債務・保証から「外れる」3つの道
では、どうすれば外れられるのか。現実的な方法は3つです。
①完済 ローンを全額返す(貯蓄・親族援助など)→ 保証も消える ②借り換え 家に残る側が単独名義で組み直す(審査が必要) ③売却 家を売って、売却代金でローンを返す → 保証も消える
①完済ができれば一番きれいですが、まとまった資金が要ります。②借り換えは、住み続ける側に単独でローンを組める収入・信用があるかが鍵で、審査に通らないこともあります。そして現実に最も多く選ばれるのが③売却です。家を売って残債を返せば、債務も連帯保証もまとめて解消できます。「ローンから解放されたい」なら、売却は有力な選択肢です。
ただし、売っても残債が残る(オーバーローン)場合は、話が変わります。その場合は「オーバーローンの家は離婚でどうなる?」をご覧ください。まずは「売ったら残債を返せるのか」を知るために、家の価値の把握から始めましょう。
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売却でローンと連帯保証から抜けられるかは、家の売却額しだいです。まず複数社の無料査定で”今の価値”を把握しましょう。
次にやること(チェックリスト)
☐ ローン契約書でタイプ(ペア/連帯債務/連帯保証)を確認する
☐ 残債の額と、団信・名義を確認する
☐ 「協議書に書けば外れる」と誤解していないか、認識を正す
☐ 外す3つの道(完済・借換え・売却)のうち、現実的なものを検討する
☐ 売却なら家の価値を査定で把握/借換えなら金融機関に相談する
☐ 債務・保証の外し方は、金融機関と弁護士に確認する
よくある質問(FAQ)
Q. 公正証書に「ローンは元夫が払う」と書けば、私(連帯保証人)は外れますか?
外れません。公正証書は夫婦間の約束であり、金融機関の同意がない限り連帯保証は外れません。元夫が滞納すれば、あなたに請求が来る可能性が残ります。
Q. 連帯保証を外すにはどうすればいいですか?
基本は「完済・借り換え・売却」のいずれかです。金融機関が別の保証人や担保で代替を認める場合もありますが、承諾は必須です。まずは金融機関に相談してください。
Q. 家に住み続けたいのですが、単独名義に変えられますか?
住み続ける側の収入・信用で単独のローンに借り換えられれば可能ですが、審査に通らないこともあります。無断で名義や債務者を変えると契約違反になるため、金融機関の承諾を得ることが欠かせません。
Q. 家を売れば、ローンと連帯保証から抜けられますか?
売却代金で残債を完済できれば、債務も連帯保証も解消できます。ただし残債が売却額を上回る(オーバーローン)場合は、そのままでは売れないことがあります。まず家の価値を把握しましょう。
この記事の書き手について
不動産買取の現場に長く携わってきた宅地建物取引士。中古マンション・戸建ての査定・仕入れ・販売までを担当し、離婚に伴うローン残債・連帯保証が絡む物件を数多く見てきました。現場で見てきた実際を、夫・妻どちらの側にも立たない立場で解説しています。なお、ローンの債務・保証の取り扱いは金融機関に、財産分与の取り決めは弁護士にご確認ください。
最終更新日:2026年7月7日(民法472条ほか法令確認済み)

