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離婚で住宅ローンが払えない——”滞納する前”に動けば、選べる道はまだ多く残っています。
滞納してしまうと、信用情報に傷がつき、最悪は競売で家を安く失う。逆に、滞納する前に相談・行動すれば、被害を最小限にできる。時間が味方になるうちに、できることを整理します。
結論(先にお答えします)。
離婚で住宅ローンの返済が苦しくなったら、「滞納する前」に手を打つのが鉄則です。できることは主に3つ。①金融機関に早めに相談する(返済額の見直し=リスケジュールに応じてもらえることがある)、②売却して完済する(残債を売却代金で返す。届かなければ持ち出しを検討)、③返済がすでに厳しく滞納が避けられない場合は、任意売却という方法もある(金融機関の同意を得て、競売より有利な条件で売る)。滞納を放置すると、期限の利益を失い、一括請求や競売に進み、信用情報にも傷がつきます。早く動くほど選択肢は多く残ります。まず現状を把握し、金融機関・専門家に相談してください。
「払えないかも」と気づいた時点が、いちばん動きやすいタイミングです。滞納してから慌てるより、その前に手を打ちましょう。(離婚とローンの基本は「離婚しても連帯保証は外れない」もどうぞ。)
まず知る:滞納を放置するとどうなる
滞納が続く ↓ 「期限の利益」を失う(分割で払う権利を失い、残り全額を一括で請求される) ↓ 保証会社が代わりに返済(代位弁済)→ 請求先が保証会社に ↓ 競売の申立て → 家が市場より安く売られる ↓ 信用情報に傷(いわゆるブラック)→ 新たな借入が難しくなる
この流れには、おおよその月数があります。自分がどこにいるかを把握してください。
| 滞納からの経過 | 届くもの・起きること | この時点で選べること |
|---|---|---|
| 1か月 | 引落不能の通知 | リスケ・通常の売却・買取すべて可能 |
| 2〜3か月 | 督促状・電話での催告 | リスケを相談できる最後の時期 |
| 3〜6か月 | 催告書(最終通告) | 売却の準備を始める実質的な期限 |
| 4〜7か月 | 期限の利益喪失(通算6か月程度が一般的) | 分割で払う権利が消える。リスケは原則できない |
| 5〜8か月 | 代位弁済の実行 | 相手が保証会社・サービサーに変わる |
| 10〜12か月 | 競売の入札開始 | 開札日の前日を過ぎると任意売却はできない |
| 1〜1.5年 | 落札・引き渡し(退去) | 引っ越し時期を自分で決められない |
※一般的な目安です。金融機関・保証会社の運用や滞納の経緯によって前後します。ご自身の期限は、届いた通知書面の日付と内容で必ずご確認ください。
——この流れに入ると、家を安く失ううえに信用まで傷つきます。だからこそ、「滞納する前」が勝負なのです。
「期限の利益喪失」の前と後で、選べる道が変わります
上の表で色が変わっている行が境目です。ここを越えると、打てる手が大きく減ります。
| 喪失する前 | 喪失した後 | |
|---|---|---|
| 請求のされ方 | 毎月の分割 | 残額の一括請求 |
| リスケ | 相談できる | 原則できない |
| 話す相手 | 借入先の金融機関 | 保証会社・サービサー |
| 売り方 | 通常の売却・買取 | 任意売却・買取(同意が必要) |
【買取の現場から】 そして、ここに時間の引き算があります。任意売却は債権者の同意を得て市場で買主を探す方法なので、販売活動に6〜11か月かかります。ところが競売の入札開始は10〜12か月。催告書が届くのは3〜6か月の時点です。
残り時間の引き算
競売の入札開始まで 10〜12か月
催告書が届くのが 3〜6か月の時点
→ 残り 4〜9か月
任意売却の販売活動に必要なのは 6〜11か月。さらに債権者の社内決裁があるため、入札開始の2週間前までに話をまとめる必要があります。
数字が合わないことがあります。催告書の時点で動き出しても、任意売却が時間的に間に合わない場合がある、ということです。代位弁済通知が届いてからならなおさらです。
この段階で残るのは、買主を探す期間が要らない方法です。不動産会社が直接買い取る形なら販売活動がないので、残り時間が短くても選択肢になります。価格は市場価格より低くなりますが、競売の落札価格は市場価格を大きく下回るのが一般的なので、競売と比べれば手元に残る額は大きくなりやすいです。
滞納そのものの流れをもっと詳しく知りたい場合は、当社が運営する姉妹サイト「滞納の味方:住宅ローンを滞納するとどうなる?」で、通知書の読み分けまで整理しています。
離婚に伴う家の売却は、当サイト運営の城久株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号)が、条件に合う物件を買い取っています(取引態様:当社が契約の当事者となる売買(直接買取))。買取の相談ができる物件か確認する
離婚で特に危ないのは「払う人と住む人が違う」形です
【買取の現場から】 離婚の滞納案件で、いちばん手遅れになりやすいのがこの形です。
名義人(たとえば夫)が家を出て返済を続け、元配偶者と子が住み続ける。よくある取り決めですが、構造的な弱点があります。
- 滞納の通知は名義人に届きます。住んでいる側には何も届きません
- そのため、住んでいる側は滞納に気づけません
- 気づくのは、催告書や競売開始決定通知が家に届いたとき。つまり、すでに残り時間が少ない段階です
取り決めの時点で防げます。協議書を作るなら、次を入れておくことをご検討ください(文面は弁護士にご相談ください)。
- 返済を延滞した場合は速やかに相手方へ通知する義務
- 住んでいる側が返済状況を確認できる方法を決めておく(残高証明の定期提出など)
- 延滞が一定期間続いた場合は売却に協力することをあらかじめ合意しておく
3つ目が効きます。滞納が起きてから「売る・売らない」で揉めると、その間に期限が来てしまいます。先に決めておけば、いざというときに動けます。
滞納する前にできる3つのこと
【現場から】 買取の現場では、「もっと早く相談してくれれば、選べる道が多かったのに」というケースをよく見ます。早め順に整理します。
- ①金融機関に相談(リスケ):収入が変わったら、返済額や期間の見直しに応じてもらえることがあります。滞納する前の相談が肝心
- ②売却して完済:家を売り、代金でローンを返す。残債が売値を上回るなら持ち出しの検討(→「オーバーローンの家はどうなる」)
- ③任意売却:すでに滞納が避けられない場合、金融機関の同意を得て、競売より有利な条件で売る方法。専門的な手続きで、信用情報への影響もあるため、早めに専門家へ
ペアローンや連帯保証が絡む場合は、さらに整理が必要です(→「ペアローンの離婚清算」)。いずれにせよ、出発点は「売っていくら・残債はいくら」を知ること。この数字がないと、リスケも売却も判断できません。
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リスケは「通りやすい条件」がはっきりしています
①の返済見直し(リスケジュール)は、頼めば必ず通るものではありません。分かれ目は次のあたりです。
| 通りやすい | 通りにくい |
|---|---|
| まだ滞納していない | 滞納が続いている |
| 収入が減った理由を説明できる(離婚で世帯収入が変わった等) | 期限の利益を喪失している |
| 見直し後の返済計画を数字で示せる | 返済の原資の見込みが立たない |
注意点もあります。期間を延ばすタイプのリスケは、毎月の負担が下がる代わりに利息の総額が増えます。「月々が楽になる」だけを見て決めると、総支払額で損をすることがあります。提示された条件で総額がどう変わるかを必ず確認してください。
そして、リスケが通っても返済義務は残ります。離婚後の収入で払い続けられるかを冷静に見て、難しいなら売却の検討を並行させるのが現実的です。どちらを選ぶにしても、出発点は「売っていくら・残債はいくら」という2つの数字です。
別居中で、家を出た側がローンを払い続けている場合は特に注意が必要です。その支払いは後の財産分与で考慮されることがあります。詳しくは別居中に家を売れる?で整理しています。
次にやること(チェックリスト)
☐ 滞納する前に動く(時間が味方のうちに)
☐ 返済が苦しくなったら、早めに金融機関に相談(リスケの可否)
☐ 家の売却額と残債を査定で把握する
☐ 売って返せないなら、任意売却など専門的な方法も検討
☐ ペアローン・連帯保証の整理を含め、弁護士・専門家に相談する
よくある質問(FAQ)
Q. まだ滞納していませんが、この先が不安です。今できることは?
滞納する前が、最も選択肢の多いタイミングです。金融機関への返済見直しの相談や、売却して完済する検討を、早めに始めることをおすすめします。
Q. 任意売却とは何ですか?
返済が難しくなったとき、金融機関の同意を得て、競売より有利な条件で家を売る方法です。信用情報への影響など注意点があり、専門的な手続きになるため、早めに専門家へ相談してください。
Q. 滞納するとすぐ競売になりますか?
すぐではありませんが、滞納が続くと期限の利益を失い、一括請求から競売へ進みます。そうなる前に、金融機関や専門家に相談することが大切です。
Q. 名義人は元配偶者ですが、私が住んでいます。滞納していないか確認できますか?
通知は名義人に届くため、住んでいる側には分かりません。確認したい場合は名義人に残高証明などの提出を求めるのが確実です。取り決めの段階で「延滞したら通知する」「返済状況を確認できる方法」を協議書に入れておくと、この不安は大きく減ります。文面は弁護士にご相談ください。
Q. 催告書が届きました。まだ任意売却はできますか?
法律上は競売の開札日の前日まで可能です。ただし任意売却は買主を探す活動に6〜11か月かかるため、催告書の時点(滞納3〜6か月)からでは間に合わないことがあります。残り時間が短い場合は、販売活動が不要な直接買取も含めて比べてください。
Q. 売却しても残債が残ります。それでも売れますか?
売却額が残債を下回る場合、そのままでは抵当権を外せないため、差額を用意するか、債権者の同意を得る形になります。まず売却額と残債の2つの数字を確定させるのが先で、そこから取れる手が決まります。残債や返済の条件そのものについては、金融機関および弁護士・司法書士にご相談ください。
この記事について:離婚の味方 編集部(城久株式会社/宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号)が作成しています。不動産の実務に関する記述は、当社の宅地建物取引士が確認しています。
財産分与の取り決めは弁護士に、税金は税理士にご確認ください。 最終更新日:2026年9月11日
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城久株式会社/宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号/公益社団法人 全日本不動産協会 会員/東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア10F/取引態様:当社が契約の当事者となる売買(直接買取)
