離婚で家の名義変更(所有権移転)──贈与税・譲渡所得税・ローンの注意点

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先に結論をお伝えします。

離婚で家を相手に渡すときは、「名義変更(所有権移転登記)」が必要です。財産分与として渡す場合、受け取る側に贈与税は原則かかりません(分与が過大な場合などを除く)。ただし、渡す側には譲渡所得税がかかることがあり登録免許税や不動産取得税も関わります。さらに、ローンが残っている家は、金融機関の承諾なく名義を変えられません。私は買取・査定側にいた立場から、名義変更でつまずかないための全体像を、どちらの立場にも立たずにお伝えします(具体的な税額・取り決めは税理士・弁護士の領域です)。

「離婚したら、家の名義はどう変えるの?」——財産分与で一方が家を取得するなら、避けて通れない手続きです。名前の表記を直すだけの「氏名変更登記」とは別で、こちらは持ち主そのものを変える手続きです。順番に見ていきましょう。(離婚と家の全体像は「離婚で家はどうなる?完全ガイド」にまとめています。)

「名義変更」=所有権移転登記のこと

財産分与で家を相手に渡すと、法務局で所有権移転登記をして、持ち主を変えます。これが一般に言う「名義変更」です。登記をしないと、登記簿上は元の名義のままで、後々「渡したはずなのに名義が変わっていない」というトラブルにつながります。財産分与で家を取得するなら、登記まで済ませて初めて完了と考えてください。

税金はどうなる?(渡す側・もらう側)

税金 誰に 財産分与での扱い(原則)
贈与税 もらう側 原則かからない。ただし分与が過大な場合や、税逃れ目的の離婚と判断される場合は課税されうる
譲渡所得税 渡す側 「譲渡」とみなされ、値上がり益に課税されることがある(3,000万円控除はタイミングが鍵)
登録免許税 もらう側(登記時) 固定資産税評価額の2%が目安
不動産取得税 もらう側 夫婦財産の清算としての分与は原則かからないとされるが、扱いに幅があるため要確認

意外に見落とされるのが、渡す側の譲渡所得税です。「あげるだけなのに税金?」と驚かれますが、財産分与は税務上「譲渡」として扱われることがあり、家の値上がり益に課税される場合があります。ここで効いてくるのが、渡すのが離婚の前か後かという順番です。詳しくは「3,000万円控除はタイミングで変わる」で解説しています。税額は個別事情で変わるため、実際の判断は税理士にご確認ください。

ローンが残っている家は、勝手に名義を変えられない

ここが最大の注意点です。住宅ローンが残っている家には金融機関の抵当権がついており、金融機関の承諾なく名義(所有者)を変えると、契約違反になります。ローンの名義人と家の所有者がズレると、金融機関が一括返済を求めてくることもあります。ローンが残る家の名義変更は、先に金融機関に相談してから進めてください(ローンと連帯保証の整理は「連帯保証は外れない」で解説)。

手続きの順番

① 財産分与の内容を取り決める(弁護士・公正証書など)
② ローンが残るなら、金融機関に相談・承諾を得る
③ 離婚を成立させる(税の扱いは離婚後が有利なことも → 税理士へ)
④ 司法書士に依頼して所有権移転登記
⑤ 登記完了で名義変更が完了

「渡す・もらう」だけの単純な話に見えて、税金・ローン・タイミングが絡む、意外と複雑な手続きです。家を動かす前に、専門家に順番を確認することが、後悔しないコツです。

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次にやること(チェックリスト)

☐ 財産分与で家を「渡す/もらう/売って分ける」のどれかを決める
ローンの残債・抵当権の有無を確認する
☐ ローンが残るなら金融機関に承諾を相談する
☐ 渡すタイミング(離婚の前後)と税金を税理士に確認する
☐ 所有権移転登記は司法書士に依頼する
☐ 分与の条件・取り決めは弁護士に相談する

よくある質問(FAQ)

Q. 財産分与で家をもらうと、贈与税がかかりますか?
原則としてかかりません。財産分与は夫婦財産の清算とされ、贈与にはあたらないためです。ただし、分与が過大な場合や、税逃れ目的の離婚と判断される場合は課税されることがあります。判断は税理士にご確認ください。

Q. 家をあげる側なのに、税金がかかるのですか?
財産分与は税務上「譲渡」として扱われることがあり、家の値上がり益に譲渡所得税がかかる場合があります。渡すのが離婚の前か後かで扱いが変わるため、動かす前に税理士へ相談してください。

Q. ローンが残っていても名義変更できますか?
金融機関の承諾なく名義を変えると契約違反になります。まず金融機関に相談し、承諾や借り換えの可否を確認してから進める必要があります。

この記事の書き手について

不動産買取の現場に長く携わってきた宅地建物取引士。中古マンション・戸建ての査定・仕入れ・販売までを担当し、離婚に伴う名義変更・ローン付き物件の取り扱いを数多く見てきました。現場で見てきた実際を、夫・妻どちらの側にも立たない立場で解説しています。なお、登記手続きは司法書士に、税金は税理士に、財産分与の取り決めは弁護士にご確認ください。

最終更新日:2026年7月7日

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