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「離婚したら、住宅ローン控除はもう受けられない」——そう思って、損をしている人がいます。
実は、住み続ける人しだいで、控除は継続できます。逆に、手続きを間違えると、受けられたはずの控除を取りこぼします。年間で数十万円が変わることもある話です。順に確認しましょう。
結論(先にお答えします)。
離婚しても、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除・租税特別措置法41条)は、条件を満たせば受け続けられます。鍵は「誰がその家に住み続けるか」。ローン名義人が住み続けるなら、控除の要件(各年12月31日まで引き続き居住)を満たすので、控除は継続できます。逆に、家を出ていく側は居住要件を満たさなくなり、控除を受けられません。また、財産分与で相手の共有持分を追加取得した場合、その追加分も控除の対象になります(再度の確定申告が必要/国税庁タックスアンサーNo.1237)。ただし借り換えをするなら、返済期間が10年以上ないと控除は使えません。制度は細かいので、具体的な適用は税理士にご確認ください。
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて所得税(一部は住民税)が戻ってくる、影響の大きい制度です。離婚でこれを取りこぼさないために、ケース別に見ていきます。(離婚と家の全体像は「離婚で家はどうなる?完全ガイド」にまとめています。)
まず、この3つの勘違いを正しましょう
❌ 「離婚したら、住宅ローン控除は打ち切り」
✅ 打ち切りではありません。名義人が住み続ければ、要件を満たす限り継続できます。
❌ 「家を出ても、自分のローンなら控除を受け続けられる」
✅ 受けられません。控除は「自分が住んでいること」が要件。出ていくと対象外になります。
❌ 「財産分与でもらった持分は、控除の対象外」
✅ 対象になります。追加取得した持分も控除でき、再度の確定申告で受けられます(No.1237)。
ケース別・住宅ローン控除はどうなる
| ケース | 控除は? |
|---|---|
| ローン名義人が住み続ける | 継続できる(各年12/31まで居住の要件を満たすため) |
| ローン名義人が家を出る | 出た側は居住要件を満たさず、控除を受けられない |
| 財産分与で相手の持分を追加取得 | 追加分も控除の対象。再度の確定申告が必要(No.1237) |
| 単独名義に借り換える | 新ローンの返済期間が10年以上なら対象になり得る |
例えば、夫名義のローンで夫が住み続けるなら、控除はそのまま継続できます。一方、例えば妻が家を出て別居・転居すれば、妻は(仮に持分やローンがあっても)その家に住んでいないため、控除は受けられなくなります。「住み続ける人」と「控除を受けられる人」は一致する——これが基本の考え方です。
見落としやすい:財産分与での「持分の追加取得」
【現場から】 意外と知られていないのが、財産分与で相手の共有持分を引き取ったときです。「もともと自分の持分にしか控除は使えない」と思い込み、追加取得した分の控除を申告し忘れる——これは実際によくある取りこぼしです。国税庁も、財産分与でマイホームの共有持分を追加取得した場合は、当初分・追加分のいずれについても控除の適用を受けられるとしています(要・再度の確定申告/タックスアンサーNo.1237)。持分を引き取ったら、翌年の確定申告を忘れずに。
「売る」という選択なら、まず価値の把握を
控除を続けて住み続けるか、いっそ売って清算するか——迷う場面もあります。売る側のタイミングと税金は「3,000万円控除はタイミングで変わる」、名義の移し方は「離婚の名義変更」、ローンの整理は「連帯保証は外れない」で解説しています。どの道を選ぶにも、出発点は「今いくらか」です。
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控除を受けて住み続けるか、売って分けるか。判断の土台は家の”今の価値”です。複数社の無料査定で把握しておきましょう。売却を今すぐ決める必要はありません。
次にやること(チェックリスト)
☐ その家に住み続けるのは誰かを確認する(=控除を受けられる人)
☐ 家を出る側は、控除が受けられなくなることを把握する
☐ 財産分与で持分を追加取得したら、翌年の確定申告を忘れない
☐ 借り換えるなら返済期間10年以上かを確認する
☐ 具体的な適用可否は税理士に、分与の取り決めは弁護士に相談する
よくある質問(FAQ)
Q. 離婚後も、夫名義の家に妻が住みます。妻は控除を受けられますか?
住宅ローン控除は「ローンを組んだ本人が住んでいること」が基本の要件です。名義人が夫で、夫が住んでいない場合、その家の控除は受けにくくなります。名義・居住・ローンの関係で変わるため、税理士にご確認ください。
Q. 財産分与で相手の持分をもらいました。何かすることは?
追加取得した持分についても住宅ローン控除の対象になり得ます(No.1237)。適用には再度の確定申告が必要です。申告を忘れると受けられないので注意してください。
Q. 離婚を機に借り換えます。控除は続きますか?
借り換え後の新しいローンの返済期間が10年以上あるなど、要件を満たせば対象になり得ます。返済期間が10年未満だと控除は受けられません。詳細は金融機関・税理士へご確認ください。
この記事の書き手について
不動産買取の現場に長く携わってきた宅地建物取引士。中古マンション・戸建ての査定・仕入れ・販売までを担当し、離婚に伴う住宅ローンや税金が絡む売却を数多く見てきました。現場で見てきた実際を、夫・妻どちらの側にも立たない立場で解説しています。なお、住宅ローン控除の適用可否・計算は税理士に、分与の取り決めは弁護士にご確認ください。本記事は制度の一般的な説明であり、個別の税務判断を行うものではありません。
最終更新日:2026年7月7日(租税特別措置法41条・国税庁No.1237、確認済み)
