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先に結論をお伝えします。
離婚で「家を早く手放したい」なら、売り方は大きく「仲介」と「買取」の2つ。仲介は市場で買主を探すため高く売れやすい反面、数か月かかることも。買取は不動産会社が直接買い取るのでスピードが速い反面、価格は相場より低めになりがちです。離婚の事情(早さ優先か、価格優先か)で選び分けます。どちらにせよ、まずは複数社の査定で「仲介ならいくら/買取ならいくら」の両方を把握するのが、損をしないコツ。私は買取・査定側の立場から、その見極めを、どちらの立場にも立たずにお伝えします。
「離婚を早く終わらせたいから、家もさっさと現金にしたい」——気持ちはよくわかります。ただ、”早さ”だけで飛びつくと、受け取れる額が大きく変わることも。まずは2つの売り方の違いを押さえましょう。(離婚と家の全体像は「離婚で家はどうなる?完全ガイド」にまとめています。)
「仲介」と「買取」の違い
| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 売る相手 | 市場の一般の買主(不動産会社が仲立ち) | 不動産会社が直接買い取る |
| スピード | 買主が見つかるまで数か月かかることも | 早い(数週間で現金化も) |
| 価格 | 相場に近い価格になりやすい | 相場より低めになりがち |
| 向く事情 | 価格を優先・時間に余裕がある | 早さ優先・確実に売り切りたい |
買取価格はどうやって決まるのか──内訳を開示します
【買取の現場から】 「買取は安い」とだけ言われても納得しにくいと思います。中身はこうです。
買取価格の組み立て
再販できる見込みの価格
− リフォーム・修繕の費用
− 販売経費(仲介手数料・広告費・登記費用など)
− 在庫として持つ間のコスト(金利・管理費・固定資産税)
− 読み違いへの備え(想定外の工事・売れ残り)
− 会社の利益
= 買取価格
一般的な目安として、リフォーム費用は物件価格の1〜2割、会社の利益は1割前後を見込みます。これらを差し引いた結果、買取価格は仲介で売れる価格の7〜8割に落ち着くことが多いです(物件の状態によって6割程度から9割程度まで振れます)。
金額で見るとこうなります。
| 仲介で売れる想定 | 買取の目安(7〜8割) | 差額 | 1人あたりの差(半分ずつ) |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,400〜1,600万円 | 400〜600万円 | 200〜300万円 |
| 3,000万円 | 2,100〜2,400万円 | 600〜900万円 | 300〜450万円 |
| 4,000万円 | 2,800〜3,200万円 | 800〜1,200万円 | 400〜600万円 |
※あくまで一般的な目安です。実際の金額は物件の状態・立地・時期で変わります。
離婚の場合、この差がそのまま二人の取り分に効きます。財産分与で半分ずつなら、上の表の右端が一人あたりの差です。「早さのために諦める金額」は、このくらいの大きさになる、ということです。
なお、差が縮むケースと開くケースははっきりしています。
- 差が縮む(9割に近づく):築浅でリフォームがほとんど不要/駅近で再販先が読める/室内がきれいで残置物がない
- 差が開く(6割に近づく):築古で水回りの全面交換が必要/再建築不可・接道が狭い/残置物が多い/買主に住宅ローンが付きにくい
つまり「買取は何割」は物件ごとに違うので、一般論ではなく自分の家の数字を取るしかありません。
離婚に伴う家の売却は、当サイト運営の城久株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号)が、条件に合う物件を買い取っています(取引態様:当社が契約の当事者となる売買(直接買取))。買取の相談ができる物件か確認する
期間の実際──「平均3か月」には落とし穴があります
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」では、売り出しから成約までの平均日数は中古マンションで85.3日(約2.8か月)、中古戸建てで97.3日(約3.2か月)とされています。
ただし、この数字をそのまま「3か月で現金になる」と読むと外します。理由は2つあります。
- これは「売れた物件だけ」の平均です。売れずに取り下げた物件は母数に入っていません。値付けを誤ると、この平均より大幅に長くなります
- 成約はゴールではありません。成約から決済・引き渡しまで、さらに1か月〜1か月半かかります(買主のローン審査と引っ越し)
実感として見ておくべき期間は、仲介なら売り出しから現金化まで4〜6か月、買取なら査定に3日〜1週間、契約から決済まで2週間〜1か月です。離婚の協議が3〜6か月かかるなら、仲介はほぼ同じ長さ、買取なら協議の後半に始めても間に合う、という時間感覚になります。
離婚では「早さ」と「価格」のどちらを取るか
【買取の現場から】 離婚のケースでは、この選択が特に難しくなります。「一日でも早く関係を清算したい」なら買取のスピードが魅力ですが、売却額は財産分与で二人が受け取る額そのもの。安く手放せば、その分二人の取り分が減ります。逆に、仲介で時間をかけている間も、ローンや維持費は出ていき、協議が長引く「塩漬け」のコストもかかります(→「協議が長引くと家はどうなる」)。
正解は人それぞれです。「多少安くても、早く確実に終わらせたい」なら買取、「時間はかけられる、少しでも高く」なら仲介。判断のためには、両方の価格を知ることが欠かせません。
買取業者が離婚の案件で実際に見ている5点
【買取の現場から】 離婚が絡む物件を査定するとき、業者は建物の状態以外にも必ず次を確認します。ここが不確かだと、その分が価格から引かれます。
- 名義が誰か。共有なら全員の同意が取れるか。共有の家全体を売るには共有者全員の同意が必要です。片方が渋っている状態では、買取業者は話を進められません
- ローン残債と売却額のどちらが大きいか。売却額が残債を下回る(オーバーローン)場合、差額を現金で用意できるかどうかで成否が変わります
- 連帯保証・ペアローンが付いていないか。付いている場合、売却しただけでは保証から外れません。金融機関の手続きが別に必要です
- 引き渡し時期を確定できるか。居住中なら、いつ退去できるか。ここが決まらないと決済日を置けません
- 離婚の協議が固まっているか。これが実は一番大きい。協議が未成立だと、決済の直前に片方の気が変わって白紙に戻ることがあります
ここが価格に効きます
買取業者がいちばん避けたいのは、決済の直前に取引が流れることです。その間、他の物件を買う機会を失っているからです。だから不確実性があると、あらかじめ価格を下げて備えます。
逆に言えば、離婚協議書(できれば公正証書)で「家を売る・代金はこう分ける」を先に固めておくと、買取価格は上がりやすくなります。順番を変えるだけで金額が動く、というのはこの分野ではよくあることです。
買取で損をする5つのパターン
買取側の立場から、実際によく見かけた順に挙げます。
- 買取査定を1社しか取らない。買取価格は会社の再販ノウハウで差が出ます。同じ物件でも数百万円違うことがあります。比較しないと、その差は表に出ません
- 「買取保証付き仲介」を買取と混同する。これは「一定期間で売れなければ、あらかじめ決めた価格で買い取る」仕組みです。まず仲介期間があるので、早さを求める人の期待とはずれます
- 急いでいることを最初に伝えてしまう。買取は交渉です。期限が知られれば、その前提で価格が組まれます。聞かれれば答えればよいことで、先に言う必要はありません
- 協議が固まる前に売却を進める。上で書いたとおり、決済が流れるリスクが価格に乗ります。急ぐほど、先に紙を固めた方が速いことがあります
- 残債を確認せずに契約する。売却額が残債を下回ると、そのままでは抵当権を外せず決済できません。返済予定表で残債を確認するのが先です
コツは「仲介・買取の両方の査定を取る」
「仲介ならいくらで売れそうか」「買取ならいくらで買ってもらえるか」——この両方を並べて初めて、スピードと価格の差が”金額”で見えます。「早さのために、いくら諦めることになるのか」がわかれば、納得して選べます。複数社にまとめて査定を依頼できる一括査定なら、この比較が一度でできます。
💡 まず、いくらで売れるかを把握する[PR]
離婚の話し合いは、家がいくらになるかが決まらないと前に進みません。提携先の「持ち家売却」(株式会社セレス)は、最大5社の不動産会社にまとめて無料で査定を依頼できるサービスです。訪問査定を受けた方にポイントを付与するキャンペーンを行っていることもあります(付与額と条件は時期により変わります)。
査定の種類や頼み方のコツは「査定はどこに頼む?」でも解説しています。
すでに別居しているなら、住んでいる側の協力や3,000万円控除の期限が絡みます。別居中に家を売れる?を先に読んでおくと、進め方を決めやすくなります。
次にやること(チェックリスト)
☐ 離婚で優先するのは「早さ」か「価格」かを整理する
☐ 仲介の想定価格と買取の価格の両方を査定で取る
☐ 「早さのために諦める金額」を数字で確認する
☐ ローン残債・分与への影響も踏まえて判断する
☐ 売却代金の分け方は弁護士と取り決める
よくある質問(FAQ)
Q. 買取は、仲介よりどのくらい安くなりますか?
物件や会社によりますが、買取は相場より低めになりがちです。実際の差は、仲介・買取の両方の査定を取って金額で比べるのが確実です。
Q. とにかく早く売りたいです。買取一択ですか?
早さなら買取が有利ですが、価格が下がる分、財産分与の取り分も減ります。まず両方の価格を把握し、「早さのために諦める額」を見てから決めることをおすすめします。
Q. 共有名義でも買取や仲介で売れますか?
家全体を売るには共有者全員の同意が必要です。同意が得られない場合は、自分の持分だけを専門の買取に相談する方法もあります。
Q. 買取は具体的に何割くらいになりますか?
一般的な目安は仲介で売れる価格の7〜8割で、物件の状態によって6割程度から9割程度まで振れます。リフォーム費用(物件価格の1〜2割)と会社の利益(1割前後)が差し引かれるためです。築浅で手を加える必要が少なければ9割に近づき、築古・再建築不可・残置物が多いと6割に近づきます。
Q. まだ住んでいますが、買取に出せますか?
出せます。買取では「いつ退去できるか」を決めれば決済日を置けます。引き渡し時期を相談できるのは買取の利点です。ただし退去時期が決まらないままだと話が進まないので、目安だけでも先に決めておくとスムーズです。
Q. 離婚協議書がまだありません。売却を進められますか?
査定を取るところまでは問題ありません。ただし契約・決済の段階では、協議が固まっていないと取引が流れるリスクがあるため、価格が慎重になりがちです。先に「家を売る・代金はこう分ける」を書面にしておくと、条件が良くなりやすいのが実際です。書面の作り方は弁護士にご相談ください。
この記事について:離婚の味方 編集部(城久株式会社/宅地建物取引業 東京都知事(1)第114307号)が作成しています。不動産の実務に関する記述は、当社の宅地建物取引士が確認しています。
財産分与の取り決めは弁護士に、税金は税理士にご確認ください。 最終更新日:2026年9月11日
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